ニコニコ動画が最近おもしろくない

ニコニコ動画は「レッツゴー陰陽師」や「中曽根ティーチャー」など、一人で見ただけではクスッとくる程度のコンテンツを大勢で楽しむことですごく面白くなれることを証明した。どこからか発掘したコンテンツを多数の目に触れることで、日の目をみたり本来とは別の方向性で盛り上がるチャンスができる。これをビジネスに応用してもいいし、実際陰陽師は着うた配信されたしCDの再販が決まった。
これら面白い動画は、当時コメントランキングの上位に位置しており、サイトに繋ばだいたいサムネイルで目にすることができた。上から順に見ていけばだいたい大笑いできたし、またはひどく不愉快な思いもできた。
しかし、最近はそうではない。アニメソングをただつなげたメドレーが吃驚するほど上位に食い込んでいる。確かに聞けば懐かしいし、同じ様に感じたコメントが流れるのを見るのは面白い。しかし、果たしてこのメドレーコンテンツが陰陽師ほどリピートするほど魅力があるだろうか?
つまり、人が本当に「面白い」と感じる度合と、ビュー数は直結しないのだ。注目度の度合の指標として、ビュー数やコメント数を目安にするのは昔からよく使われる手法だが、これは狭い世界でのみ信頼できる計測法なんだと思う。幅広い世界だと「流行」という余計なものが関与してしまう。面白そうな紹介文やサムネイルがあるからというわけではなく、皆が面白いと思っているから見る。メドレーなんかだと共感できる人の数が多くなるのでコメントもしやすい。結果、一部の熱狂的なコメントよりも大勢の一言の方が影響が強くなってしまう。もちろん、それが本当に面白い場合もある。面白くない場合もある。必ず真とは言えない。
ビュー数/コメント数集計はこういう欠点があるんじゃないかな。まあ、販売数を基にしたテレビ番組やオリコン雑誌のランキング集計じゃ昔っからよく言われていたものなのだが。流行りは一つの目安にはなるが、「面白さ」という曖昧なものを正しく集計できる方法はないのだろうか。ああ、それが一体何なのかをクリエイターは皆悩んでいるんだよな。