目的を持つSNS使用例 2.

前回の続き

NTT データ、社内 SNS の利用状況を発表――約3分の1がアクティブユーザー
http://japan.internet.com/busnews/20060620/4.html

去年の記事になるが。
社員同士のコミュニケーション活性化を目的とした社内SNSを運用する前例記事である。
大きな会社であれば、同じ組織に属していながら顔も見たことの無い人間もいるだろう。ある意味当たり前とされているが、どこ部署にどんな人がいないのかがわからない、という事態は褒められたものではない。提案された事に適切な人物を社内から紹介できないようでは、良いビジネスを逃しかねない。
もちろん、愚痴や悩み相談など人間らしい用途にも使えるであろう。それらもろもろ、社内各分野の連携を図る上でもSNSはけっこー便利かもしれない。実際勤め先でも採用しており、二ヶ月前程から試験的に稼動し始めた。
ということで、今回は社内で使用したケースである。

2.社内SNS
目的:社内各部の抱える仕事、技術情報の共有化。

背景:
三十人規模の会社。
昔は社内全員で分担し一つ一つ仕事を片付けていたので、各自がどんな仕事をしているかが非常にクリアだった。しかし、会社規模や抱える仕事が多くなっていくことで、各部代表の裁量で仕事をこなさざざる得なくなってきた。それが暫く続いたことで、情報が不透明になってしまった。
うちの会社には、システム技術者、デザイナー、企画のできる人間が揃っており、普通なら外注を使うところを社内で広い範囲を賄える環境を持っている。不透明であってはこの強みを生かせないため、情報の共有化に良い手段を常日頃から検討していた。そこで、SNSの使用を試すことにしたってワケ。
使用SNSオープンソース(名前ど忘れ)のものを使用。閉じたネットワーク内で、社内からのみ参照できるものとする。

現状:
上記URL記事の通り、アクティブユーザーは3割ほど。使いたがらない人の反応は前回記事とまったく同様なので省略する。
アクティブユーザーの利用傾向の中心は日記。主な内容は以下の通り。

  • 業務日報
  • 普通の個人的な日記
  • 愚痴

次に、日記以外で業務の効率化を目的に試行錯誤された例。

  • 案件一つに対しコミュニティを作る。関係者全員を参加させ、情報共有する。
  • 花見や社員旅行などのイベントコミュニティ。軽い相談はトピックで行い、同時に議事録となる。無駄に集まる時間を少なくする。

考察:
日記利用:業務日報の公開は、仕事情報の共有の上では有効と一見思われる。が、正直なところ主観でメモ書き程度(恐らく本人もメモとして使っている)で書かれた文章を第三者が見てもまったく理解できない。特に技術者連中が書く日記にそういう傾向が強い。以上より、日報だけでは情報の共有化には満足できないと考えられる。
個人日記は効果的といえる。映画や音楽など日常の話なのでコメントもしやすく、コミュニケーションの効率化に役立っているように思える。無難で害の無い存在だ。ちなみに、この使い方は女性社員に多く見られた。
愚痴日記はデリケートな存在だ。直属の上司にとっては、彼らの抱える悩みを知りサポートするのは大事だが、他の社員にとっては有効な情報とは言えない。むしろ読んで気が滅入るしヘタに触れない。
こういった文章は、読み手を上司に絞って公開できると無駄なく情報伝達できるのだろう。しかし無責任なもので、誰でも大っぴらに公開していれば平気で書けるのだが、明確に誰々にと限定してしまうと恐縮してしまう。書くなとも言えないし難しい問題だ。


コミュニティ利用:案件コミュニティについては、まだ今後どう展開していくかわからない。どれもコミュニティを立てた本人だけが書き込んでいるような現状なだが、この先次第では面白い可能性を秘めているかもしれない。今のところでは、業務日報日記とほとんど変わらないように見える。

まとめ:
サービス開始後の社員の反応は驚くほど冷めている。過剰な期待は禁物。
情報交換が活発になるまで時間はかかるだろうが、いざそうなってしまえば、書き込まれたもの全てが情報として残るのでそれなりの価値は期待できる。その間のサーバーコストが割に合うかどうかが経営者を悩ませるだろう。




追記:はてなダイアリーってほとんどHTML書くイメージに近いなー。見やすく書くコツ掴むまで時間かかりそう